コップラッシュの「トロンボーンのための60の練習曲集」(以下「60の練習曲」)の無料ダウンロード方法や楽曲の概要、難易度、作曲家などについて解説しています。

無料ダウンロードの方法

「60の練習曲」は「国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)」のWebページからダウンロードできます。

ダウンロードアイコン ダウンロードはこちら

もともとホルン用の曲であるため、メインのページにはホルンの譜面についての情報が記載されています。

そのページの「Arrangements and Transcriptions」というタブをクリックすると、トロンボーン用のPDFファイルのダウンロードページへのリンクが表示されます。2冊に分かれているので、必要な分をダウンロードしてください。

国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP):「International Music Score Library Project」。著作権が消滅してパブリックドメインとなった楽譜、および著作権者が自由な利用を許諾した楽譜を、インターネット上で無料で公開・共有することを目的としたプロジェクト。

「60の練習曲」の基本的な情報

コップラッシュの「60の練習曲」の基本的な情報は以下の通りです。

  • もとは1833年に出版されたホルン用の練習曲
  • トランペット、トロンボーン、チューバなどにも編曲
  • 現在では金管楽器全般の定番練習曲集
  • 難易度は中級以上

コップラッシュの「60の練習曲」はもともと1833年に出版された、低音部を受け持つホルン用に書かれた楽曲で、英訳されたタイトルは「60 Etudes for Low-Horn(Second Horn)」です。

その後、トランペット、トロンボーン、チューバなどにも編曲され、現在では金管楽器全般の定番の練習曲集となっています。

演奏の難易度

難易度は中級以上です。演奏するなら少なくともハイB♭ぐらいまで問題なく出せる必要があります。また、テナー記号、アルト記号も使われており、調性も初心者には難しいシャープの多いものも登場します。楽器を始めたばかりの初心者だと、ほとんど演奏できる曲がないでしょう。

強弱記号やアクセント・スタッカートなどさまざまな奏法が細かく指定されており、そこまで正確に演奏するのは中級者でも難しいかもしれません。

参考演奏

有名なエチュードのため、YouTubeで「Kopprasch」と検索すれば、数多くの参考演奏を見つけられます。

たとえば国内のトロンボーン奏者では、大阪交響楽団首席の阿部竜之介氏が全曲を演奏した動画を公開しています。

全曲の再生リストはこちら

一曲目

書籍で購入する場合

PDFよりも紙の書籍が使いたい場合は、全音楽譜出版社より全曲を一冊にまとめたものが販売されています。

コップラッシュ書影

ISE(トロンボーン) コプラッシュ/60のエチュード / 全音楽譜出版社出版部 (著, 編集)

このボリュームの楽譜としては価格も安いので、よく使う人は購入を検討してみるといいでしょう。

作曲者・編曲者について

作曲者と編曲者の概要は以下の通りです。

作曲者: ゲオルク・コップラッシュ

作曲者のゲオルク・コップラッシュ1(Georg Kopprasch)は19世紀にベルリン国立歌劇場の楽団やデッサウ(ドイツのザクセン=アンハルト州の都市)の宮廷楽団に所属していた作曲家・ホルン奏者です。 2

編曲者: フリードリヒ・グンペルト

編曲者であるフリードリヒ・グンペルト(Friedrich Gumpert)はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席ホルン奏者やライプツィヒ音楽院の教授などを歴任し、多くのホルン奏者に影響を与えた人物で、1906年に亡くなっています。3

著作権について

作曲者・編曲者とも100年以上前に亡くなっているため、著作権の保護期間は過ぎています。よって「60の練習曲」はパブリックドメインとなっており、著作権を気にせず無料で利用可能です。

⚠: 著作権については専門家ではないため、明確な保証はできません。ご利用の際は、お住まいの地域のルールをご自身で確認して、自己責任でお願いします。特に編曲されているものや、あとから伴奏やコメントが付け加えられている物は注意が必要です。

  1. コプラッシュ、コープラッシュとも書かれる。 

  2. 参考: 英語版Wikipedia:Georg Kopprasch 

  3. 参考: 英語版Wikipedia:Friedrich Gumpert