マルチェロ「6つのソナタ」:演奏しやすいトロンボーン・ソロ曲
ルチェロの「6つのソナタ」の無料ダウンロード方法や楽曲の概要、難易度、作曲家などを解説。比較的演奏しやすいトロンボーン・ソロ曲です。
無料ダウンロードの方法
「6つのソナタ」は、「国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)」のWebページからダウンロードできます。
「Complete Score」や「Complete Score and Cello Part」などと記載されたリンクをクリックすると、ダウンロードページに移動します。
国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP):「International Music Score Library Project」。著作権が消滅してパブリックドメインとなった楽譜、および著作権者が自由な利用を許諾した楽譜を、インターネット上で無料で公開・共有することを目的としたプロジェクト。
「6つのソナタ」の基本的な情報
ウェーバーの「6つのソナタ」の基本的な情報は以下の通りです。
- チェロ用の曲だがトロンボーンでも演奏される
- 吹きやすいソロ曲
- 難易度は中級以上
ではそれぞれ解説しましょう。
チェロ用の曲だがトロンボーンでも演奏される
「6つのソナタ」は、イタリア・バロック期の作曲家マルチェロによるチェロソナタ集です。全6曲が書かれており、現在ではトロンボーンで演奏されることもよくあります。各曲の演奏頻度について正確にはわかりませんが、比較的難易度が低い第1番(F Major)が、取り上げられる機会が多いのではないかと思います。
私自身もこの第1番をエチュード代わりに練習したことがあり、この記事はその経験をもとにまとめています。そのため、1番以外の曲には当てはまらない部分もあるかもしれませんが、参考として読んでいただければ幸いです。
吹きやすいソロ曲
「6つのソナタ」には、極端に高音や低音の音域はほとんど登場せず、スライド操作が難しい場所もあまりありません。曲の構成もわかりやすく、トロンボーンでも無理なく演奏できる作品です。
トロンボーン用に編曲された楽譜も市販されていますが、原曲のチェロ譜をそのまま使用しても大きな支障はありません。トリルなど一部の装飾音を省略する程度で、十分に演奏可能です。
難易度は中級以上
難易度はおおむね中級程度ですが、どの曲を選ぶかや、トリルなどの装飾音をどこまで再現するかによって難しさは変わります。たとえば、テンポの遅い楽章でトリルや装飾を省略すれば、初心者でも十分に演奏できるでしょう。反対に、速い楽章でトリルをできる限り取り入れる場合は、中級者でもやや難しく感じるかもしれません。
参考演奏
YouTubeで検索すれば、いろいろなタイプの演奏が見つかります。たとえば、以下は1番(F major)でトリルを多く取り入れた難易度高めの演奏です。トリルは省略している演奏も多いです。
作曲者について
ベネデット・マルチェロ(マルチェッロとも表記)は、イタリア・バロック期の作曲家です。1686年、ヴェネツィアの名門貴族マルチェロ家に生まれました。
マルチェロ家は政治家や軍人を多く輩出した名家で、ベネデットも父の意向により法律家として公務にたずさわりました。しかし、音楽への情熱を捨てきれず、並行して音楽活動を続け、生涯で約700曲もの作品を残しました。
1728年、平民の歌手ロザンナ・スカルフィと当時違法とされた貴族と平民の結婚を秘密裏に行い、1739年に結核で亡くなっています。
代表作には『詩的・音楽的霊感』があり、他にも多くのカンタータや器楽曲が知られています。その作品は、同時期に活躍したアントニオ・ヴィヴァルディの作風を感じさせるとも評されます。1
著作権について
マルチェロの没年が1739年であることから、著作権の保護期間はすでに過ぎています。その作品は現在パブリックドメインとなっており自由に利用可能です。しかし、トロンボーン版やピアノ伴奏版は保護期間内の可能性があります。
⚠: 著作権については専門家ではないため、明確な保証はできません。ご利用の際は、お住まいの地域のルールをご自身で確認して、自己責任でお願いします。特に編曲されているものや、あとから伴奏やコメントが付け加えられている物は注意が必要です。
