シャルリエ『32のエチュード』の無料ダウンロード方法や楽曲の概要、難易度、作曲家などを解説。技巧的でスライドや譜読みの練習におすすめのエチュード集です。

無料ダウンロードの方法

シャルリエ『32のエチュード』は、「国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)」のWebページからダウンロードできます。

ダウンロードアイコン ダウンロードはこちら

「Complete Score」と記載されたリンクをクリックすると、ダウンロードページに移動します。

⚠: アメリカでは、まだ著作権の保護期間のため、アメリカ在住の人はダウンロードしないよう注意してください。

国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP):「International Music Score Library Project」。著作権が消滅してパブリックドメインとなった楽譜、および著作権者が自由な利用を許諾した楽譜を、インターネット上で無料で公開・共有することを目的としたプロジェクト。

『32のエチュード』の基本的な情報

シャルリエ『32のエチュード』の基本的な情報は以下の通りです。

  • トランペット奏者によるエチュード集
  • バルブトロンボーンとチューバ用のエチュード
  • スライド操作や譜読みの練習用におすすめ
  • 難易度は中級以上

ではそれぞれ解説しましょう。

トランペット奏者による技巧的なエチュード集

テオ・シャルリエは、トランペットのためのエチュード集『36の超絶技巧練習曲』で知られる作曲家です。『36の超絶技巧練習曲』はタイトルどおり高度な技巧が必要なエチュード集です。ここで紹介する『32のエチュード』も同様に、技巧的な部分が多い曲が中心です。

原題である『32 Études de perfectionnement』の「perfectionnement」には、「完成度を高める」といった意味があります。そのため直訳すれば「技術を磨き上げるための32のエチュード」となります。しかし、ややこなれていない印象のタイトルとなるため、本記事では簡潔に『32のエチュード』としています。

バルブトロンボーンとチューバ用のエチュード

『32のエチュード』は、もともとバルブトロンボーンとチューバ用に書かれた練習曲集です。そのため、スライドトロンボーンでは演奏が難しい箇所もあり、演奏にはトリルなどを省略する必要があります。

また、4番バルブ付きのバルブトロンボーンを想定しているため、F管のないテナートロンボーンでは出せない音が含まれています。

こうした理由から、現在ではあまり知られていないのかもしれません。しかし、視点を変えれば、通常のスライドトロンボーンの教本では扱わないタイプの曲が多く、学びの多いエチュード集とも言えるでしょう。

スライド操作や譜読みの練習用におすすめ

『32のエチュード』の曲は、バルブトロンボーン用に書かれていることもあり、スライドで演奏すると負担が大きめです。この記事を書くにあたって、最初の数曲を続けて演奏してみましたが、スライドの動きが大きくて腕が痛くなりました。また、シャープやフラットなどの臨時記号も多く登場します。

しかし、少なくとも最初の方の曲の音域やリズムには比較的無理がありません。そのため、スライド操作や譜読みの練習用におすすめです。

難易度は中級以上

『32のエチュード』の難易度は中級以上です。最初の方のエチュードは比較的簡単で、遅めのテンポなら無理なく演奏できると思います。しかし、譜読みなどになれていない、トロンボーンを始めたばかりの初心者には難しく感じるでしょう。後半の曲は難しく上級者向けです。

参考演奏

ユーフォニアムによる8番目のエチュードの参考演奏です。

作曲者テオ・シャルリエについて

テオ・シャルリエ(1868〜1944)は、ベルギー出身のトランペット奏者・教育者です。コルネットが主流だった時代にトランペットの価値を広めた人物として知られています。オーケストラのソロ奏者として活躍し、バッハの『ブランデンブルク協奏曲第2番』を現代的なピッコロトランペットで初めて演奏したことでも有名です。

また、リエージュ音楽院で教授を務め、多くの後進を育成するとともに、楽器の開発にも関わりました。代表作である『36の超絶技巧練習曲』は、現在でも世界中のトランペット奏者にとって定番の教材の一つとなっています。1

著作権について

作者のテオ・シャルリエは1944年に亡くなっているため、日本を含む多くの国では著作権の保護期間が終了しており、『32のエチュード』も自由に利用できます。

一方、アメリカでは1923年から1963年に出版された作品は、出版から95年間保護されるという規定があります。そのため、1946年に出版された『32のエチュード』は現在も著作権が有効です。アメリカ在住の方は、楽譜を購入しなければならないので注意してください。

⚠: 著作権については専門家ではないため、明確な保証はできません。ご利用の際は、お住まいの地域のルールをご自身で確認して、自己責任でお願いします。特に編曲されているものや、あとから伴奏やコメントが付け加えられている物は注意が必要です。