E.Vobaronの「40 études pour trombone」(以下「40 études」)の無料ダウンロード方法や楽曲の概要、難易度、作曲家などについて解説しています。トロンボーンの伴奏譜が付属している、ソロでも二重奏でも練習できる少し変わったエチュード集です。

無料ダウンロードの方法

「40 études」は、「国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)」のWebページからダウンロードできます。

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「Complete Score」と記載されたリンクをクリックすると、ダウンロードページに移動します。

国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP):「International Music Score Library Project」。著作権が消滅してパブリックドメインとなった楽譜、および著作権者が自由な利用を許諾した楽譜を、インターネット上で無料で公開・共有することを目的としたプロジェクト。

「40 études」の基本的な情報

E.Vobaronの「40 études」の基本的な情報は以下の通りです。

  • 19世紀半ばのフランスのトロンボーン用エチュード集
  • 伴奏がトロンボーン
  • 難易度は中級以上・伴奏は初級以上

ではそれぞれ解説しましょう。

19世紀半ばのフランスのトロンボーン用エチュード集

E.Vobaronの「40 études pour trombone」は1853年、パリのBrandus社より出版されたトロンボーンエチュード集です。タイトルを日本語訳すると、「トロンボーンのための40の練習曲」となるでしょう。

後で解説するように伴奏が付属しているため、全2部、100ページ近いボリュームのあるエチュード集です。

伴奏がトロンボーン

「40 études」の最大の特徴は、トロンボーン用の伴奏譜が付属している点です。たとえば最初のエチュードでは、次のように旋律と伴奏の譜面が用意されています。(別々の譜面を私がまとめたものです。)

40 études No.1

1番トロンボーンが旋律を担当し、2番トロンボーンが伴奏を受け持ちます。2番には旋律はなく、伴奏に徹しているのが通常の二重奏と異なる点です。

ソロで旋律だけを練習できますし、伴奏を加えて二重奏として演奏もできます。伴奏パートのほうが難易度は低めなので、部活動などでは先輩が旋律、後輩が伴奏を担当する、といった使い方も考えられるでしょう。

難易度は中級以上・伴奏は初級以上

「40 études」の難易度は中級以上です。練習曲としては1曲あたりがやや長めで、体力と集中力が求められます。

一方、伴奏パートは比較的簡単で、初心者でも演奏できるでしょう。

注意事項

E.Vobaronの父親と考えられているF.Vobaronによる、同じようなタイトルの練習曲集が出版されているようです。中身を確認したわけではないので断定はできませんが、おそらく内容は別物だと思われます。

作曲者Edmond Vobaronについて

Edmond Vobaronは19世紀半ばに活動していた人物で、パリ王立音楽院のトロンボーン科講師を務めたFélix Vobaronの息子と考えられています。ただし、それ以上の詳細な情報はインターネット上では確認できませんでした。父子ともにトロンボーンの練習曲集などを執筆しており、その楽譜は現在でも海外で出版されています。

著作権について

「40 études」の著作権保護期間は終了し、パブリックドメインになっています。

作曲者Edmond Vobaronの活動時期が19世紀半ばであることから、すでに没後100年以上、おそらく150年程度経過していると考えられます。よって、著作権を気にせず自由に利用可能です。

⚠: 著作権については専門家ではないため、明確な保証はできません。ご利用の際は、お住まいの地域のルールをご自身で確認して、自己責任でお願いします。特に編曲されているものや、あとから伴奏やコメントが付け加えられている物は注意が必要です。