リムスキー＝コルサコフ『トロンボーン協奏曲』:有名作曲家によるトロンボーン協奏曲
リムスキー＝コルサコフ『トロンボーン協奏曲』の無料ダウンロード方法や楽曲の概要、難易度、作曲家などを解説。有名作曲家によるトロンボーン協奏曲で、トロンボーン奏者以外にも比較的よく知られた名曲です。
無料ダウンロードの方法
リムスキー＝コルサコフ『トロンボーン協奏曲』は、「国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)」のWebページからダウンロードできます。
「Parts」のタブで「Complete Part」と記載されたリンクをクリックすると、ソロ譜のダウンロードページに移動します。
⚠: 英語版Wikipediaによると、アメリカではまだ著作権保護期間の可能性があるので、アメリカ在住の人は注意してください。
国際楽譜ライブラリープロジェクト（IMSLP）:「International Music Score Library Project」。著作権が消滅してパブリックドメインとなった楽譜、および著作権者が自由な利用を許諾した楽譜を、インターネット上で無料で公開・共有することを目的としたプロジェクト。
リムスキー＝コルサコフ『トロンボーン協奏曲』の基本的な情報
リムスキー＝コルサコフ『トロンボーン協奏曲』の基本的な情報は以下の通りです。
- 有名作曲家によるトロンボーン協奏曲
- トロンボーンを楽しめる曲
- 難易度は上級か中級
ではそれぞれ解説しましょう。
有名作曲家によるトロンボーン協奏曲
ダヴィッドやグレンダールなど、トロンボーン協奏曲の名曲はいくつもありますが、作曲家としての知名度でいえば、リムスキー＝コルサコフが頭一つ抜けています。そのため、この『トロンボーン協奏曲』は、トロンボーン奏者だけでなく、一般のクラシック愛好家にも比較的よく知られています。実際、YouTubeで100万回を超える再生数の演奏動画が見つかるほどです。
正式名称は『トロンボーンと吹奏楽のための協奏曲』で、伴奏はオーケストラではなく吹奏楽団が担います(ピアノやオーケストラ伴奏の編曲も存在します)。3楽章構成で、「速い–遅い–速い」という協奏曲の典型的な流れをとり、全体の演奏時間はおよそ10分ほどです。ちなみに、なぜか第1楽章が終わったところで観客が拍手してしまうことがよくあります。
トロンボーンを楽しめる曲
リムスキー=コルサコフの『トロンボーン協奏曲』は、代表作『シェエラザード』などを作曲する前の時期に、軍楽隊向けの作品として書かれたものです。そのため、後年の作品と比べるとやや洗練されてないと感じる部分もあるかもしれません。それでも、明るく親しみやすい旋律が多く、最後までトロンボーンの魅力を楽しめる作品です。
また、吹奏楽伴奏のトロンボーン協奏曲では、独奏が伴奏に埋もれてしまうことが少なくありません。しかし、この曲はそういった部分がほとんどなく、トロンボーンが主役であり続けます。独奏が明確に浮かび上がる作曲の技術は、さすがは管弦楽法の大家として知られるリムスキー=コルサコフというべきでしょう。
難易度は上級か中級
『トロンボーン協奏曲』の難易度は上級だと思います。ただし、トロンボーン協奏曲の中では比較的平易な部類に入るため、中級程度と評価する人もいるかもしれません。
部分的に抜粋してテンポをやや落として演奏するのであれば、中級者でも十分に取り組めるでしょう。とはいえ、全曲を通して人に聴かせられる完成度で演奏するには、十分な技術と表現力が求められます。
参考演奏
リムスキー＝コルサコフの『トロンボーン協奏曲』の参考演奏です。ほかにも多くの動画がアップされていますが、これは現在(2025/11)で100万回以上再生されており、クラシック系のトロンボーン動画の中でも特に人気の高いものの一つです。
作曲者ニコライ・リムスキー＝コルサコフについて
ニコライ・リムスキー＝コルサコフ（1844–1908）は、ロシアの国民楽派を代表するロシア五人組の一員として知られる作曲家です。海軍士官を経て海軍軍楽隊の民間監察官も務めています。その経験をもとに色彩豊かで華麗な管弦楽法を確立しました。彼の卓越したオーケストレーションの技術は、後世の作曲家に多大な影響を与えています。
彼の作品は、幻想的で物語性に富んだ世界観が特徴です。代表作には、異国情緒あふれる交響組曲『シェエラザード』や、鮮やかなオーケストレーションが際立つ『スペイン奇想曲』などがあり、いずれも彼の個性と豊かな想像力をよく示しています。1
著作権について
リムスキー＝コルサコフは1908年に亡くなっているため、日本を含むほとんどの国では著作権の保護期間が終了しています。そのため、『トロンボーン協奏曲』も多くの地域で自由に利用できます。
ただし、英語版Wikipediaによると、記事執筆時アメリカではオリジナルのスコアが著作権の保護期間にあるようです。これは、アメリカにおける著作権保護期間が「1978年以前に公開された作品は公開から95年間」と定められていること、また国際条約などの影響で保護期間が延長される場合があることが関係していると考えられます。しかし、現在の状況については明確にはわかりません。
そのため、アメリカにお住まいの方は、ダウンロードの前に著作権の状態を確認するか、利用を控えて楽器店などで購入するのが無難です。
⚠: 著作権については専門家ではないため、明確な保証はできません。ご利用の際は、お住まいの地域のルールをご自身で確認して、自己責任でお願いします。特に編曲されているものや、あとから伴奏やコメントが付け加えられている物は注意が必要です。